itksのブログ

オタクです

ドリフェスに出会ってからサイコーを越えるまで(後編)

※武道館公演セトリネタバレあります。ポエムです。めっちゃ長いです。




3/5、ドリフェスコンテンツの全てが武道館公演をもって終了することが発表された。

活動休止という言い方ではあったが、アニメも一段落し、筐体とアプリが終了する以上、3次元のDDKFの活動再開もほぼほぼ望めないと思った。実質の解散だ。
その発表を自分は非常に冷静に受け止めており、そうか、と悲しさや寂しさ、納得や理解、相反する様々な感情を持って頷くしかなかった。
ツアーで夢中になってから、一瞬の出来事だった。
なんで、どうして、もっと追いかけたかった、こんなに素敵なコンテンツなのに。そう思うことは簡単だったが、そう思う資格がないとも感じていた。何故なら自分はドリフェスを知ってからアニメが始まるまで、なんの応援もしてこなかったから。アニメを見てもただ面白い、良かったと呟くだけで、アプリや筐体に課金したり、積極的にイベントに参加することもしなかったから。
もっと早く追いかけていれば。もっと早く動いていれば。もっと早く……。
後悔はいくらでもできた。オタクが一人動いていたところで何かが変わったわけではなかったかもしれない、でも、もしかしたら何か変わっていたかもしれない。少なくとも、何も変わらなかったとしても、自分はもっと早くに追いかけ始めたかった。リリイベからツアーまで、彼らの一分一秒を目に焼き付けたかった。そんな資格がなかったとしても、ものすごく悔しく感じたことだけは本当だった。

ツアーが終わり、コンテンツの終了を告げられてもなお、ユメノコドウの熱さは変わらなかった。
あのステージの熱狂はどのライブに行っても変わらず胸に残っていて、こんなにライブの熱が長く残ることは初めてだった。
MV集、1stライブの円盤、ドリフェスラジオ、キャラTwitter、それからアプリ。追いかけられなかった、気にもしないでスルーしてしまっていた彼らの三年間を追いかける日々が始まった。
DearDreamがアニサマに出ることが決まり、初めてアニサマのチケットを取った。それからすぐに自分が元々追いかけている声優ユニット(WUG)のアニサマ参加が決まり、周りのオタクも続々とアニサマのチケットを準備し始めたのをいいことに、とにかくドリフェスを布教した。
アニサマに行った周りのオタクが、DearDreamを見て「ああ、これあの人が言ってたグループか」と一瞬でも意識してくれればいい、自覚がなくてもいい、とにかくドリフェスとDearDreamの名前を刷り込みたい、とその一心だった。
今考えるとあまりに必死すぎて我ながら気持ち悪いなと思うのだが、その甲斐あってかWUGのオタクがアニサマ後に「ディアドリ良かった」「武道館気になってきた」「アニメ見ようかな」と言ってくれたり実際アニメを見てくれたりして有り難すぎて泣いた。自意識過剰かもしれない。でも一人や二人は自分の布教が成功していたと思う。多分。
wugとドリフェスの共通点、相互性について語れる人が増えたのは純粋に嬉しかった。アニサマ前はその2グループが共演するの、もしかして……私信か!?とオタク特有の勘違いしてもおかしくない孤立感だったのに、アニサマ後はワグナーとディアドリンセスで滅茶苦茶交流が生まれていた。僕たちは出会えたことを誇っていいんだよな……と一人でエモくなっていた。ありがとうアニメロサマーライブ。

バンダイチャンネルでアニメドリフェスの全話無料配信が始まったことをきっかけに改めて見直してみると、今更ながら気付く、刺さる要素も多く、もっと2次元の彼らが好きになった。
彼らがいつもレアリティの高い衣装を着ているのは文字通りファンのエールを受け取っているからということや、純哉くんの道を素直に応援できないことが悔しい、と苦しむ奏くんの姿。黒石の過去を受け止めステージに立つ圭吾が、アニメを経て、戸谷くんと共にバトルライブのステージで涙を流していた(円盤で見た)(圭吾が泣いていたのは幻覚)ことを思い出して泣いたりもした。
信用できないよ……過去にさよならするのが、上手いやつなんて。ってこんな、相手の抱いている過去、それに伴う罪悪感を優しく包み込む台詞あります? 本当に天才。ドリフェススタッフ、天才集団か?

そして迎えた武道館当日。
色々考えていても普通にその日がくることに、当たり前に時間は過ぎるんだなぁと逆に冷静になっていた。
武道館が終わったとき、どんな感情に支配されているのだろう……。なんもわからん。なんもわからんまま今回初めてドリフェスのライブに来るオタクを引き連れて武道館一日目に向かった。
ラストだからというのはあるんだろうが、見たこともない数のフラスタがあって凄かった。絵が上手すぎる人もいればぬいぐるみが刺さってたりドリカがくるくる回ってたりミニチュアの衣装が飾られてたりと、なんだか一種の展示会みたいになっていて、お花を出すまでにオタクがどれだけ試行錯誤したか伝わってくる作品ばかりだった。オタクは凝り性。

一曲ずつライブの感想を書いているとライトノベルが一冊書ける分量になりそうなので、特に印象に残ったことだけ書いていく。
まず旗。とにもかくにも旗。アイドルには、旗!!!!そう!!!!!!!
PLEASURE FLAGで旗持たせようって提案した人間、アイドル筋力が高すぎないか? 本当に素晴らしい感性。あのデカい旗をバサバサ振りながら踊る5人に高まりと感動がぶつかって、あ~~~~!しか言葉が出てこなかった。
あと衣装。もしかしたらもしかしたりしてヴァンパイアロードでグローリーストーリー……くるか!?と予想してはいたものの、本当に来たらあまりの5次元力と石原壮馬君のピアス(イヤリング)の良さに溶けてしまった。グローリーストーリーで赤と青で膝ついて腰を回す振り、一生好き。
あとやはり外せないのがMagnetic Emotion。あまりにも……あまりにもアレ過ぎて(やんわりとした言い方)、オタク全員発狂してたしなんなら腰抜かしてた人もいた。
青と薄紫でSを作る振りのところで(これ二日目やってなかったって本当ですか?誰か教えて)近くにいたオタク二人が「なに????なに????????」って言いながら一緒にSの字作ってて笑った。
でもそれほどまでに人類には早かった、マグエモ。息も絶え絶えでその後のシンメが静まり返っていたオタクたちが「……愛してる」で無事息を吹き返していたのも良かった。
Lifetime=Partytime!は正直ここまでいい曲になると思わなかった。アルバムで聞いたときは楽しい曲だな、止まりだったので、武道館のステージで三人があんなにも楽しそうに、はしゃいで、5次元フロアの人生を謳歌していることが本当に嬉しくて、無性に涙腺にきた。
Run After Blowin’ Wind!での石原壮馬vsファンの構図も印象深い。
間奏を歌うという発想がなかったのか最初は小さかったファンの声が石原くんに煽られ大きくなっていき、それに対して石原くんが満足そうに「いいねえ」と好戦的な笑みと声を発したのを見て滅茶苦茶笑顔になってしまった。
最後に背を見せてきたところで、ああ、ここから始まるんだ、と思えた。ここで彼の背中に「明日」を見てからかもしれない、武道館公演中、一気に気持ちが終わりと明日に向かって加速していったのは。
当たり前だったことが当たり前でなくなる、昨日はすごくネガだった、でも今日とにかく楽しくてそんな気持ち吹っ飛んでた、と語った石原くんのMCにカクカク動く玩具のように頷いていた。今悲しい人いなくない?いる?みたいなことを聞いていて、まあいるでしょうとは思いつつも本気で楽しいだけが溢れていると信じて疑わない真っ直ぐで若くて強い精神が愛しかった。

それから二日目。いよいよ最終日、流石に昨日のように楽しいだけで終わることは難しいだろうなと思った。
マグエモに備えていても動悸がして足に力が入らなくなったり、とにかく絶対聞きたかったMAY BE, LADY!で無事に優しく殺されたりと(ヴァンパイアロードでのメビレは予想はしていても対処できない“強さ”だった)幸せな時間を過ごし、MC。
泣かないだろうと思っていた株元さんの涙と、それに釣られるようにして案の定泣いていた戸谷くんの言葉でもう駄目だった。
寂し(くな)いわけないじゃん!!!と叫んだ正木くんに、そうだよな、だってドリフェスでデビューしたんだから、ずっとあった柱がなくなっちゃう、地面がなくなっちゃうような不安と寂しさだよな、と一緒に泣いてしまったり。
一日目はべしょべしょに泣いていた太田くんが、二日目はしっかり、今度は皆さんが夢を叶えてくださいと笑顔で話しきった、本当にこの人はドリフェスに人生を変えられたんだなとわかる想いの強さにぐっときたり。
純哉と俺は別の人間で、あえて寄せずにそれを貫いてきた、と話したトミーに、この人が一番2次元を人として尊重してくれていたのかもしれないと思わされたり、今はメンバーの誰を見ても安心しますという言葉に三年間育ってきた絆を確かに感じたり。
青は憧れで、苦しいかもと思った、それでも周りの人間に支えられて僕は理想だった「青」になれたと話す溝口くんに、この人は青で良かったんだな、と最初に感じていた「合わないんじゃないか」という疑問や不安をどれだけ本人も感じていたんだろう、どれだけ重く大切に「青」を育ててきてくれたんだろうと感謝したり。
それから、「誇っていい。これは勝ちです!」と言いきった石原壮馬君の言葉に、どれだけ救われただろう。
本当はツアーで終わっていたかもしれない、ライブやるのも簡単じゃないんで、と話す言葉に、武道館に14人を立たせてくれるために奔走した大人の姿と、ツアーで終わるかもしれないと思いながらあのダブルアンコールに応えたのだろう5人の姿を想像した。ありがちで、誰もが言っている言葉だが、最後にありがとうと伝えられるこの場があることが本当に奇跡的で、「勝ち取った」ことなのか、その言葉でようやく理解させられた。

ドリフェスは、コンテンツが終わることが決まってから色々なタイアップが決まった。コラボカフェやカラオケ、その一つが決まる毎に、オタクたちはこぞって「ドリフェス君終わる気ある??」「実は終わらないのでは??」と呟いていた。自分もそうだ。なんだか面白がるようにして、ドリフェス君終わる気なし!と笑っていた。
あれはやはり終わりを信じられなかっただけなのだなとその時思った。そして、終わりを信じたら前を向けなかったから、明日がこないで欲しいと願ってしまうから、目をそらしてわからないフリをしていた。受け止める覚悟がなかったから、逃げていた。
自分はドリフェスは負けたコンテンツだと明確に考えていたわけではなかった。しかし考えてみるとやはり、終わる→売れなかった=負けたと内心思っていたのだと思うのだ。その、自分でも気付いていなかった悔しさを、取り返しがつかないと思って自覚すらしないままでいようとしたやりきれなさを、石原君は掬い上げてくれた。
どれだけ言おうがドリフェスは終わるし、アニメの続きも見れなければアプリも再開しないんだ、と反論することは簡単だった。
けれど、石原君の言葉にはそう言わせないだけの説得力があった。それが凄いと思ったし、この場で「勝ち」という誰も想像もしてなかったであろう、けれど誰もが望んでいたであろう正解の言葉を掴み取った、それこそが「勝ち」だと思った。
溝口君がツアーの千秋楽で言っていた。「そうまの言うことは絶対」なのだと。
あのときはわがままと、甘やかしと、信頼、そういった意味として受け取っていたし、多分言った本人もなんとなく楽しくなってそう言っていただけだろうと思う。けれど今となっては、そうまの言うことは絶対そうなる、だってそうまが言葉にすることで誰もが正解に気付く、だから絶対そうなる、みんな正解に辿り着ける、という言葉にすら聞こえる。絶大な信頼と信用。自分達には形にできない、掴みとれないあやふやなものを、こうだと定めてこちらに投げてしまえる意思。
センターになるために、中心にいるために生まれてきたような人だな、と思った。
「今ここに色んな感情が渦巻いてる」「いいね」そう言って笑った石原くんは、お前ら全員同じステージにいる。かかってこいよ。と言っているように感じられた。ライバルなのだ、彼らと私たちは、どこまでも。
だから、彼らと一緒に、私たちも明日に進まなければいけないと思えた。

それからアンコール二曲、これは天才。天才のセトリ。
インフィニティ・スカイとETERNAL BONDSを、こんな気持ちで聞けると思わなかった。こんな色の曲になると思っていなかった。
明日に向かわなければ、から、明日に向かっていこう、どんな明日になるだろう、そんな真っ直ぐな気持ちになれた。本当に晴れやかな気持ちだった。
ダブルアンコールも終わり、イケるっしょ!で捌けるのも、ドリフェスらしかった。
もう会えないと思っていた2次元の7人にも会えて、きちんと2次元の彼らを最後まで大切にしてくれたのが、何より嬉しく思えた。本当に素敵な、キャラクターも人も作品もファンも何もかもが愛されるコンテンツを好きになれたこと。それは本当に本当に、私の誇りだなと、自信を持てた。
最後はドリフェス!になったファンたちが、14人がいなくなったステージを見ながらALL FOR SMILE!を歌い、ドリフェス!のステージを続けていた。
ステージ裏で、それを聞いた14人が笑ってくれていたらいいなとただ願って歌っていた。
その笑顔が最高のエールになるはずなのだから。

キャラクターTwitterも終了したその夜には#イケるっしょ!というタグがTwitterでトレンド入りしており、監督を含め関係者が一番驚いていそうなのがなんだか面白かった。

イケるっしょ!
また会おうね!

その言葉を残していなくなっても、きちんとドリフェスは続いたまま明日がきていて、それはこれからも変わらないのだなと思えた。
こんなにも爽やかな終わりは自分の人生でも初めてのことで、石原壮馬君の偉大さとかっこよさにその後三日間ほど石原壮馬君としか言葉を発することのできない身体になっていた。
終わるのに明日に連れていくとかサイコー越えるとか言われても……とうつ病人間になっていたのがまるでネタ振りだったかのように、明日に連れていくって、サイコー越えるってこういうことなんだな、とこの一週間頷き続けている。
本当にこんなにも素晴らしい作品に出会えて良かった。14人のアイドル、それを支えてくれたスタッフさん、エールを送り続けていたドリフェスの皆さん、それだけじゃなく、私のやかましいツイートでほんの少しでもドリフェスに興味を持ち、触れてくれた方。
本当に、本当に、ありがとうございました。


最後に。
800円で彼女になれる魔法のカードこと37カード、ゲットできなかったんですが、ゲットできなくてよかったのかもしれない。山下七海さんという心に決めた人がいるにも関わらず石原壮馬君ガチ恋になってしまっていたかもしれないので。
ここまで読んだ人、WUGさんのファイナルツアーにも来てください。頼む。約束の地で待ってる。